2021年7月26日から申請が開始される”ワクチンパスポート”。
でも、ワクチンパスポートってそもそも何なのか、あまり実態をつかめていないのではないでしょうか?
パスポートって言うぐらいだから、海外旅行に必須なのかな?
海外旅行は好きだから、誰でも発行できるなら作っておきたいな。
と思われているかもしれません。
今回は、まずワクチンパスポートとは何なのか?何に使えるのか?誰でも発行できるのか?についてまとめました。
目次
ワクチンパスポートとは?
”ワクチンパスポート”とは、「ワクチン接種証明書」のことです。
予防接種法に基づいて、各市区町村で実施された新型コロナウイルスワクチンの接種記録等が記載された、接種証明書です。
行政から勝手に交付されるものではなく、接種者が申請することで交付されます。
ワクチンパスポートは、既にヨーロッパを中心に導入が進んでいます。
ワクチンパスポートを持っていることで、「入国制限を緩和する」等の海外の動きがあることから、日本でも導入が決定しました。
接種済証があれば良いのでは?と思うかもしれせんが、接種事実を証明する接種済証では英語の表記、記載事項の不足、偽造防止対策等の課題があります。
そのため、正式にワクチンパスポートを発行する必要があるのです。
【ワクチンパスポートの記載内容(証明内容)】
・接種者に関する事項(氏名、生年月日等)
・新型コロナウイルス感染症のワクチン接種記録(ワクチンの種類、接種年月日等)
・海外渡航時に利用できるよう、旅券番号等を記載
・上記内容を日本語と英語で表記
ただ、ワクチンを接種するか否かの判断は個人の自由ですので、ワクチンパスポートの存在が「接種を促し、個人の自由の侵害になるのではないか」とアメリカでは賛否両論あります。
日本でも、ワクチンを「接種したい:35.9%」「様子を見てから接種したい:52.8%」「接種したくない:11.3%」と一定数、接種したくない方もいらっしゃいます。
(2021年2月、国立精神・神経医療研究センターなどのグループによるワクチン接種に関する大規模調査で、インターネットを通じて全国の15歳から79歳までの2万3000人あまりから得た回答)
また、海外へ行く等の国際的な人的往来(出入国)のためでなく、日本国内でも効果的に活用し、コロナ禍で落ち込んでしまった個人消費の回復に繋げたいという狙いもあります。
発行は、個人の接種記録を保有する各市区町村で行われます。
当面は書面での発行となりますが、利便性を踏まえ、今後はデジタル化していくことが検討されています。
認識の注意点
ワクチンパスポートを所持していないからといって、海外への渡航ができなくなるものではありません。
あくまで、ワクチンパスポートを提示することにより、防疫措置の緩和等が認められる国や地域に渡航する際に必要となります。
各国、地域の防疫措置の状況については、外務省のホームページに随時公表される予定ですので、チェックするようにしましょう。
ワクチンパスポートは何に使えるのか?
ワクチンパスポートの用途は「ワクチンパスポートの提示により、防疫措置の緩和等が認められる国や地域への渡航するための証明」です。
他にも使えるようにと、経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)は以下のように政府に提言しています。
・各種割引
ワクチンパスポート提示による、飲食代や施設利用料の割引、ポイント付与
・国内移動の緩和
ワクチンパスポートと検査の陰性証明書組み合わせることで、国内ツアーの参加や移動の自粛制限緩和
・活動制限の緩和
イベント会場や競技場への優先入場、介護施設や医療機関の面会制限緩和
しかし、加藤官房長官は2021年7月16日の記者会見で、「ワクチンパスポートはあくまで海外渡航の防疫措置を目的とし、現時点で国内利用の想定はしていない」と述べていました。
経団連の提言がどこまで反映されるかは不明ですが、何かしら新た強い情報が発表されたら更新していきたいと思います。
誰でも発行できるのか?
ワクチンパスポートは、当面の間、2つの条件に当てはまる方を対象として発行されます。
①新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたこと
②日本から海外へ渡航する際、ワクチンパスポートを所持していることで、相手国の防疫措置が受けられることから、発行を必要とすること
そのため、以下の方は現時点で対象外となります。
・当面の間、海外渡航の予定がない
・国外等で受けた、または、予防接種法に基づかない接種を受けた
渡航予定はあっても、ワクチンパスポートの提示を必要としない国や地域へ行かれる方でも、ワクチンパスポートのご準備はしておいた方がいいかもしれません。
何かしらの理由で移動ルートが変更となり、ワクチンパスポートの提示を必要とする国や地域を経由する必要があるかもしれないためです。
ワクチンパスポートの申請書は各市区町村で準備されますので、詳しくは問い合わせてみることをオススメします。
当面の間、海外への渡航予定がなくても、ワクチンパスポートが欲しいと思われている方はいらっしゃるかもしれません。
しばらくの間は、混雑や混乱することが予想されます。
現時点で対象とならない方は、落ち着いて時を待ちましょう(申請するのを待機しましょう)。
まとめ
・ワクチンパスポートとは、ワクチン接種証明書のこと
・ワクチンパスポートの提示により、防疫措置の緩和等が認められる国や地域への渡航するための証明に使う
・国や地域によって、ワクチンパスポートを所持していないからといって、海外への渡航ができなくなるものではない
・発行の対象者は、新型コロナウイルスのワクチン接種を受け、ワクチンパスポート所持で、相手国の防疫措置が受けられることで発行が必要な人
2021年7月26日から申請が始まる新しい制度ですので、これから内容の変更や新たな問題が起こるかもしれません。
逐一情報をチェックして、対象となった場合は速やかに動けるようにしておきましょう。