ムンムンの満員電車や、冷房の効いたオフィス、汗ダラダラの営業や配送仕事など、男性の場合は、様々な職場で過酷な業務もあるものです。そんな中で、気がつけば、結構”頭が臭ってない?”って、ちょっと気になることはありませんか?夏場でも快適、男の美容と身だしなみ、今回は頭皮処理、頭髪ケアのお話です。
目次
1.頭皮のニオイの元とは?
変な話をするようですが、頭皮が臭わないという方は世界中のどこにもいません。しかしながら、なぜ”頭が臭い”というような言い方をされるのでしょうか?まず第一に刷り込みと誤解が折り混ざって、なかなか実態がつかめていないことに、その原因があるようです。
まず体臭というのは、『普段、汗をかく体の部分』と、『自分では気が付かず汚れるところ』、それに『常に洗い残しがでやすい部分』の3つが重なる時に、臭いが出てきます。つまり皮脂などが汚れと混ざって、皮膚に外部から付着した汚れについた雑菌による、一種の分解臭であるということです。
したがって、汗や皮脂が残って酸化して悪臭を放つというのは、生理的、科学的に誤った解釈です。汗や皮脂は皮膚にとって大変重要な役割を担っており、これを完全除去することは、全く良いことではありません。むしろ、本来の生体機能である、表皮ブドウ球菌などの、雑菌を退治する身体の細菌をも、同時に失うことになります。
繰り返しますが、汗や皮脂が問題なのではなく、『普段、汗をかく体の部分』と、『自分では気が付かず汚れるところ』、『常に洗い残しがでやすい部分』の3つ重なったところを放置する事が良くないのです。耳の後ろとか、よく洗うのを忘れたりしますからね。指で擦って臭いのなら、この3つが重なっているということです。
2.男性独特の髪のベタツキ感
男性の髪は、しばらく洗わないでおくと、ベトベトに油が付着したような不快な感じになる場合があります。睡眠不足で、深夜残業や夜遅くまで起きていた場合の、翌朝の髪もそんな感じですよね。
このベタツキ感自体は、それほど強い臭いは発しません。むしろ髪に多くの皮脂が付いているため、髪が普段よりも光り、なんとなく重たいような感じになっているわけです。これ自体は、髪にとって悪いことでは無いんですね。
ただ、こうしたベタツキ感で野外を歩き回ると、残念なことに、日本の多くの野外は、野山、自然に囲まれた空気のキレイな環境とは限りません。『自動車の排気ガス(トラック・バイク等)』や、『商店の排気(飲食店等)』、それらの風力で吹き飛ばされた、非常に細かい粉塵などがいつのまにか、皮膚にも髪にも付着するのです。
したがって、こうした頭髪の汚れは、皮脂汚れではなく、外の環境次第で汚れてしまうと言った方が良いでしょう。
ちなみにですが、一歩も室内から出ないで一週間過ごして、お風呂は週に3回でも、その生活を約1ヶ月続けると、キチンと睡眠、食事、栄養をとっていれば、髪はそれほどベトベトしません。むしろしっとりと、肌触りの良い髪質になることがあります。
それでは、この男の日常で避けられない、外からもたらされた頭皮の汚れの、正しい洗い方について解説していきます。
3.男の美容・『頭皮の洗い方』
男性の場合、”男らしく”、ガーッと頭をかきむしるように、ガッツリ洗いたい人も多いでしょう。ところがこれ、指摘しておきますが、”ハゲの原因”です。
脱毛は、たしかにホルモンバランスの変化で生え方が変わりますが、頭皮は大変デリケートで、ほんの少し傷つけただけで炎症を起こします。ちょっと自分で試してほしいんですが、家庭にはタワシがありますよね?それを手にとって、顔をゴシゴシ擦ってみてください。
多分、猛烈に痛いはずです。顔の皮膚にはビッシリと血管が張り巡らされ、筋肉も脂肪もあります。そして神経も眼や舌、耳など、各種機能を維持するため敏感になっています。
ところが頭皮はすぐ下に、人間の臓器で最も巨大と言われる脳を収める頭蓋骨があります。ここだけ筋肉も発達していません。当然、痛みを感じる神経も少ないのです。頭をシャンプーで掻きむしって気持ちが良いのは、『痛みを感じてないから』というわけです。そんな場所を強く擦れば、頭皮は炎症を起こし、毛根は腫れた皮膚によって、発毛を阻害されます。毛根周辺の皮膚が軽い炎症で盛り上がりますからね。
頭になぜ髪があるのか?それは図らずも『頭部を守るため』です。
ですから、洗髪も非常に丁寧に、卵を洗うように優しく、手のひらと指の腹を使って、ゆっくり丁寧に洗うのがポイントなんですね。ゴシゴシ洗いは、頭皮マッサージでもなんでもありません。単に頭皮の皮膚、髪の毛をイジメているだけです。
4.男の美容・シャンプーの選び方
夏だから、ミントの香る爽やかなシャンプー、あるいはちょっとオシャレにいい匂い付きの高級シャンプーなど、どれを使っても男性の場合は構いません。女性と違って、男性の体は、加齢によるホルモンの減少で、頭皮がカサカサになるなどの心配はあまりないからです。
しかし注意してほしいのが、その”量”です。市販のシャンプーは、『弱酸性』と容器に書いてあっても、汚れを落とすにはアルカリによる洗浄効果がなければ使えません。皮脂も、汚れも時間が経過すれば、酸素と結合して酸化するので、洗浄にはアルカリ成分が必要だからです。
だから、わざわざシャンプーのパッケージに『アルカリではありますが、若干弱めてあります。』という意味で『弱酸性』とわざわざ書いてあるのです。そのため、手を洗うハンドソープよりは、若干洗浄力では劣るようにシャンプーは作られています。
当然、わざわざこうして洗浄力を弱めているのは、先の解説の通り、”頭皮はとても繊細で敏感だから”という理由によります。何しろ、紫外線程度でやられてしまうので、毛髪の発毛サイクルは数年以上と、体毛の中では長大です。それだけ、頭皮を保護する必要があるというわけです。
この弱い洗浄力を最大限に活かして髪を洗うためには、洗浄液を泡立てて、”泡の力”で汚れを吸着してもらうしかありません。実は、市販されているシャンプーの全ては、この『泡立ち』を重視しています。洗浄成分を弱めたかわりに、酸化した皮脂や汚れを、泡の表面張力を利用して吸い取らせるという作用を利用しているのです。
したがって、シャンプーを手にとって、そのまんま頭に振りかけて洗う仕草は、どんなにシャンプーの実力を相殺しているかおわかりになるかと思います。
つまり、シャンプーの選び方というよりも、結論としては、男の美容、洗髪の極意は『よく泡立ててから、頭皮を洗う』に尽きます。この原則を守れば、どのシャンプーを使おうが構いません。
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5.男の美容・リンスとトリートメントを間違えるな!
洗髪の仕上げに、リンスとトリートメントという2種類がありますよね?実は現在、リンスの多くは発売されなくなりました。というのは、戦後、日本で西洋文化がまた日本に入ってきた時期、海外のメーカーも新興国だった当時には参入してきました。しかしまだまだそれは高級品だったので、日本製品はなんとか近い商品を開発し、その一つがシャンプーとリンスという組み合わせでした。
当時のシャンプーは、ただ洗浄力があれば良いという観点で、あまり頭皮の事を重要視せず、『汚れを洗い流せればいい』というシンプルな洗浄成分しか含まれていません。つまりアルカリ洗浄成分が強いシャンプーだったんです。
しかし、それでは洗い上がり、すっかり頭髪も頭皮もギシギシと、身体本来の酸性度がアルカリ洗浄剤で乱されてしまいます。そこで、リンスという『中和剤』を使って、頭皮を弱酸性に戻していたのです。お歳を召した方は、”リンスを水に溶いて使う”というシーンをよくご存知でしょう。あれは、中和剤を希釈していた行為だったんですね。
したがって、現在のシャンプーの殆どは様々な髪に良い成分が配合された代わり、洗浄力は弱めてあるので、中和剤は必要がないまでになったんです。ですから、男性の場合は、よほどの長髪でない限りは、トリートメントを別に購入するほどこだわる必要はありません。
それでも選ぶとしたら、安くても良いので、シャンプーとセットのシリーズで合わせて購入すると良いでしょう。ショートヘアの男性に、高価なトリートメントは、明らかにオーバースペックです。
6.男の美容・髪の乾かし方
髪の乾かし方次第で、髪のツヤが変わってくることをご存知でしょうか?それと、夏場の頭皮の臭いも、この洗髪後の髪の乾かし方次第でというのもあります。
頭皮が臭うのは、湿気と油分、それによって蒸れてそこに雑菌がつきやすいことから、強い酸性に頭皮が傾くことにあります。
ただし、カラカラになるまで乾かしてしまうと、頭皮が乾燥して、それを補おうと、余計に過剰な皮脂が分泌され、お風呂上がりなのに、翌朝、頭皮が臭うなんて場合もあります。
そこで正しい乾かし方ですが、以下のような順番です。
1.ずぶ濡れのまま、頭にタオルを乗せる
2.乗せたタオルを両手で抑え、頭部全体を包み込む
3.タオルをひっくり返して、1と2を繰り返す
4.水滴を吸着させたら、なるべく”冷風”で乾かす
ここでも、髪をワシャワシャとかき回したりしません。しっかり水分を吸着させることが肝心で、冷風を使うのは、温風だと残った水分が熱を持つため、この熱で頭皮にまた汗が吹き出して来るからです。
温風を使う際には、髪から約10センチ以上離す必要があり、頭髪は熱で乾燥を早めるのではなく、”風の力”で乾かすのだと覚えておきましょう。頭皮が冷風で冷やされれば、汗も出ないし、頭部の蓄熱も放熱できます。
7.男の美容・整髪剤を確実に落とす!
男性のヘアスタイルで重要なのは、ハードでもソフトでもやっぱり各種スタイリング剤ではないでしょうか?しかし、非常に堅牢で持ちが良い分、毎日しっかり落とさないと頭皮にも悪影響があります。
やっぱり成分で悪いのは、エマルジョン、つまり薬剤の中で髪にたいして定着性を向上するための”ツヤ成分”です。これが結構、時間が経つとカチカチになります。硬い髪は、敏感な頭皮には結構な負担で、髪の重さも段違いなので、しっかり落としきってから就寝したいものです。
ただ、市販されている整髪料、スタイリング剤は、油分よりもこのツヤと定着性を重視しているため、水溶性でお湯ですぐ落とせるものが多いです。したがって、まず洗髪前に、充分お湯で頭皮・頭髪をすすいで、整髪料を確実に洗い流しましょう。これもまた”男の美容”、男の身だしなみの心得です。
まとめ
夏場、周囲に気を使うこと無く、頭皮の臭いを防いで、洗髪の処理もパーフェクト、それにしてもちまちま、こまごま解説したかもしれませんね。しかし近年、男の美容としての第一歩は、やはり日々のスマートな頭髪ケアから始まるのではないでしょうか?男も髪を大切にする時代です。