「滑舌が悪い」ってどういうことでしょう?
滑舌の悪さは自分ではわかりにくいのですが、仕事の電話で何度も聞き返されて認識することがあります。
滑舌の悪さが気になって、積極的に話しかけられない人もいるかもしれません。
けれど、トレーニング次第では改善する可能性があるようです。
目次
1.なぜ滑舌が悪いのか?
滑舌とは、言葉をハッキリ発音するための口や舌の動きを指します。
なので、「滑舌が悪い」というと、発音が曖昧で聞き取りにくい状態をいいます。
では、どうして滑舌が良い人と悪い人がいるのでしょうか?
滑舌が悪い原因をみていきましょう。
【筋肉の衰え】
舌や口周りの筋肉が衰えると、滑舌が悪くなり言葉が聞き取りづらくなります。
年配の方と話していて、何度も聞き返してしまったという経験はありませんか?
人は年齢を重ねるごとに舌の筋力が衰えていきます。
さらに、年配の方の場合にはつぎのような滑舌が悪くなる原因も考えられます。
〇人とあまり会話をしない
〇軟らかい食べ物を好む
この状態を長く続けると、舌の筋肉が衰えて、滑舌が悪くなることがあります。
舌の筋肉の衰えは、「さ行、た行、ら行、な行、か行」に大きな影響を及ぼします。
言いにくい行がある場合は、滑舌トレーニングをしてみましょう。
【呼吸が口呼吸になる】
滑舌の悪さは、口呼吸によって引き起こされる場合があります。
口呼吸が習慣化すると、口は常に開いた状態です。口が開いていると舌筋が緩んでしまい、衰える原因にもなります。
また、吐く息も発声に影響を与えます。
口呼吸では吸う息よりも吐く息の方が量が少ないので、発声に悪影響を及ぼします。
たとえば、さ行を滑舌良く発音するには息を強く吐く必要があります。さ行が苦手な場合は腹式呼吸を意識すると良いでしょう。
【発音の仕方が悪い】
滑舌が悪くなる原因として、発声の仕方が悪いという場合があります。
アナウンサーや声優志望の人なら、話し方や発声の仕方についてレクチャーを受ける機会が頻繁にあるでしょう。
けれども、レクチャーを受ける機会のない人は子供の頃から自己流で話しているはずです。
そのため、口を開けすぎたり、閉じすぎたりと、根本的に間違っている可能性もあります。
また、普段から色々な言葉を発していないと、発音が苦手な言葉ができるかもしれません。
人との会話が少ない場合は、家で発声練習をしてみるのもおすすめです。
2.滑舌を良くするには?ポイント4点
【活舌をよくするポイント】
滑舌を良くするために、意識したいポイントを紹介します。
どれも自宅で簡単にできることばかりです。
1.リラックスする
滑舌を改善するには、まずリラックスして明るい気持ちで話すことが大切です。気分の浮き沈みは声に影響しやすく、沈んだ声は聞き取りにくいためです。
また、リラックスしていると、大きな声が出やすく、口も動きやすくなります。肩の力を抜いて、声を出すことを楽しみましょう。
2.姿勢をよくする
姿勢は発声に大きく影響します。背筋を伸ばすことで、体内に空気の通り道ができて軽く声が出せるようになります。
立っている状態で行うと、より意識しやすいでしょう。
3.腹式呼吸をする
腹式呼吸を意識することも滑舌の改善につながります。
腹式呼吸で深く息を吐くと、言葉を自然にゆっくりと話せるようになるはずです。
口呼吸のように浅い呼吸では息が続かないため、焦って早口になってしまいがちです。
呼吸法を意識して、体や喉の緊張をほぐしながらゆっくりと発声してみましょう。
1音ずつ丁寧に発声すると、聞き手も言葉が聞き取りやすくなります。
口や舌の筋肉を意識して動かしながら、発声していきましょう。
正しい発音法を身につけることも、滑舌を良くするポイントです。
「た行、な行」は口をしっかりと開けるなど、口の開け方についても意識しましょう。
「あ、い、う、え、お」の母音をしっかり発声すると、聞き取りやすい言葉が話せます。
大きな声を出しても聞き取りづらいといわれた経験のある人なら、より効果を発揮する方法です。
母音の発声には正しい口の開け方がポイントとなります。
「い、え」は口の開きが小さく、発声が難しいとされる母音なので注意が必要です。
4.声のトーンをあげる
低いトーンの声は聞き取りにくい傾向にあります。
そのため、聞き取りやすい滑舌を目指すならトーンを上げて話すこともおすすめです。
高いトーンの声は聞き取りやすいという特徴があります。
女性の声が男性の声よりも通ると感じるのはそのためです。
3.滑舌を良くするトレーニング「発声トレーニング」
次に、滑舌改善につながる「舌の使い方トレーニング」をご紹介しましょう。
初めはやりにくく感じるかもしれませんが、練習を続ければ舌の筋肉が鍛えられるため、滑舌力アップが期待できます。
まずは、50音を正しく発声するトレーニングから始めましょう。
「あ、い、う、え、お」からスタートして、「ん」までの50音をハッキリと発音していきます。
発声のポイントは、口を大きく開けて一定の早さで続けること。
また、ボイスレコーダーなどで録音して、聴いてみるのもおすすめです。
4.滑舌を良くするトレーニング「濁音発声トレーニング」
次に行う滑舌トレーニングは、濁音や半濁音を正しく発声する練習です。
濁音の発声練習は、50音の発声よりもハッキリと大きな口を開けて行いましょう。
50音を発声するときと、濁音や半濁音を発声するときで口の形が変わるのは「は行」だけです。
「ば、び、ぶ、べ、ぼ」や「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」は、「は、ひ、ふ、へ、ほ」のときとは違い、唇の破裂音を利用して音を出しています。それを意識して行いましょう。
滑舌矯正のためには、早口言葉も有効な練習法です。
とくに歌を歌う際の滑舌を良くしたいと考えているなら、早口言葉で舌を滑らかに動かすトレーニングをしてみましょう。
ちなみに苦手な早口言葉を知ることで、自分がどのように滑舌が悪いのかを探れます。
5.滑舌を良くするトレーニング「舌筋トレーニング」
舌の動きが悪くて滑舌が良くないタイプの人は、1日6分でできる「舌筋トレーニング」を習慣にしましょう。
舌筋が鍛えられることで、舌の動きが良くなり、言葉をうまく発音できるようになります。
〇舌筋トレのやり方
①舌を下の歯の歯茎と唇の間に挟みます。この時、口は閉じてください。
②舌を使って、下の歯茎にそって舌を左右に動かします。ゆっくりと舌の先に力を入れながら行いましょう。
③舌を右から左、左から右に動かして1往復とします、1往復に20秒ほどかけてゆっくりと行い、それを3回繰り返します。
④下が3往復できたら、同じように上も3往復させます。
これを1日3回行います。
このトレーニングはゆっくりと行うことがポイントです。
舌の筋肉だけでなく、口周りの筋肉もほぐれるため、滑舌改善が期待できます
いかがでしょうか。短期間で活舌がよくなることはないかもしれませんが、家で気軽に試せるトレーニングですので外出自粛で発声機会が少なかった分トレーニングしてみるのもよいかもしれません。