鏡を見たら、いつの間に・・・という、気が付かない中で進行する顔のぜい肉ですが、体の部位の中で最も落としにくいと言われています。これからの季節、薄着にもなるし、夏場の対策は今後の顔の皮膚にも重要なことです。顔のダイエットについて解説しましょう。
目次
1.顔のぜい肉の正体とは?
今回、春から夏までという、比較的短期間で顔の肉を落とすダイエットを調べていて、やっぱり医学的な知識が必要と感じました。そこで、化粧品で有名な資生堂、『研究開発本部薬剤開発研究所』という専門機関で出している資料を読んでみました。
まず誰でも人の体は”老化”しますよね。いわゆる、加齢で「シミ」、「シワ」、「たるみ」といった特徴的な、年齢を感じさせる特徴が出てきやすくなります。驚くことに、この3つの特徴全てに言える原因は、脂肪や運動不足や筋肉の衰えよりも、”光老化”がほぼその原因だと研究でわかったと言われています。
・光老化とは・・・紫外線(UVA/UVBなど)による、皮膚照射で細胞が傷ついて、再生機能が低下する現象、老化
つまり、外的要因が殆どで、これに加えて脂肪や顔の筋肉の衰えなどが、加齢で進行することで、特に頬から顎のラインにかけて皮膚がたるみ、お年寄りによく見られる”への字”になるような、特徴的な顔、表情になります。
『なんか怒ってない?』と、自分では意識してないのに、普段どおりにしているだけで、まるで”不愉快な顔”に見られる人は、ひょっとしたら、以上が原因で、頬にぜい肉がついて、垂れ下がったお肉のために、口角が下がって口が”への字”になっているのかもしれませんね。
2.顔のダイエット・なぜ顔にだけ、ぜい肉がつくの?
実際のところ、詳しく調べると顔の皮膚には脂肪はほとんどつかないそうです。意外に思われますが、人の頭部は眼や口、また表情とか食事で口を動かしたり、まぶたを動かしたりと動きが頻繁なので、食事制限でぜい肉を落とすという効果は薄いそうです。
前述のUVB、つまり太陽光の目に見えない紫外線の種類の中には、皮膚の薄い表面にある角質層をすり抜けて、皮膚を作り出す真皮の細胞を痛めてしまう作用が認められています。このことから、以下のような順番で顔の”老化現象”は始まるようです。
1.無防備な顔の皮膚に、強い太陽光があたる
2.顔の皮膚の再生能力が落ちる
3.皮膚が固くなり、やがて厚みを増す
4.皮膚の重さで、顔の筋肉からズレ落ちてくる(たるみ)
ちょっと驚きですが、その正体は『ぜい肉』ではなくて、皮膚そのものが変化してしまった証なんですね。
顔は常に露出しているし、食事をしたり、人と話す際にも、陽の光を浴びることになりますから、『紫外線がたるみの要因です』と言われれば、やっぱりそうかな?と思いますよね。
3.顔のダイエット・20代~30代の顔の肉、その特徴
さて、夏までに顔の肉を落とす方法ですが、ここからは年齢の違いによる、対策について解説します。まず20代~30代の場合、一般的に皮膚が新しく再生されて、古い皮膚の表面が””垢”となって剥がれ落ちることを『新陳代謝』と言います。”ターンオーバー”と言った方がピンと来る方もいるでしょう。一応ここでは『代謝』で統一します。
この代謝は、筋肉のような運動によって変化するものではなくて、どちらかといえば、『睡眠』、『栄養』の2つが重要と言われています。
というのも、この若い年齢の皮膚は、男女ともに皮膚再生能力はそれほど心配する必要もなく、またシミやシワも、充分な休息をとれば、まだ回復の余地があります。
しかし一方で、心配なのが栄養素で、皮膚にとって必要なのは、コラーゲン、つまり豚肉とか鶏肉とか、脂肪も人間に近い、消化吸収の早いタンパク質がたくさん必要だということです。他の肉類は脂肪が旨味として好まれるためか、日本では特に”霜降り”など、生物学的にはやや不健全な脂肪(※飽和脂肪酸)が多いので、ヘルシーな観点から鶏肉や豚肉が良いといわれてますね。
こうした健康的な肉類、豚肉なら脂肪の少ないもの、鶏肉ならささみなど、積極的に食べて、睡眠時間はやや長めにとるというのが、顔の老化を進行させない工夫だと言えます。
4.顔のダイエット・30代後半~60代以降までの顔の肉、その特徴
この年齢からは、若い頃とは皮膚の様子が違ってきます。まず第一に、十数年太陽光を浴びた影響で、皮膚自体の代謝機能が落ち始めるのは30代後半からです。私は美容にも結構、精通してますが、やっぱり30代後半から、顔の変化は出てきて、50代で目立ってくる感じですね。
この世代からは、栄養というより、若い時と比べて回復力が低下しているので、せっかく鶏肉や豚肉をたくさん食べても、むしろ顔以外の部位にぜい肉がつくことが心配です。運動自体も、なかなか日々出来ない場合が多いですからね。
ということを総合的に考えると、皮膚の代謝が若い頃に比べて”回復が遅い”と考えれば、せめて紫外線などの、外的な要因を防ぎながら、食生活を変えるべきではないでしょうか?
それでは、次に顔の脂肪、顔のたるみなど、主に30代以降の顔の皮膚対策について解説しましょう。
5.顔の脂肪ダイエット
顔をもんだり、何かの道具でゴロゴロ転がして刺激を与えるのはNGです。初めに話したように、すでに紫外線で皮膚の細胞は、炎症を起こしやすいデリケートな状態なので、顔の脂肪はやっぱり食生活改善です。
ただし、食事の内容というよりも、食べ方を変えるという方が大切です。
まず、加齢に伴って食生活で変わるのは、こう言っては元も子もないですが、”贅沢すぎる食生活”です。噛まなくても柔らかいお肉、ジューシーで確かに美味しいですが、顎の筋肉を殆ど使わないこうした歯ごたえの無い食事は、骨の再生機能も低下させますし、なにより、顔半分を占める顎の筋肉低下に繋がります。
思い切り力を込めて物を持ち上げる時に、歯を食いしばりますが、顎の筋肉を鍛えると、何気に脂肪燃焼しやすい体質になることもあるようですよ。
6.顔のたるみダイエット
これはもう、前に解説した通りで紫外線による”皮膚の劣化”ですよね。シミやシワが少なくても、歳を重ねる中でいずれは出てくるほど、皮膚の代謝が落ちてしまっています。
皮膚の加齢変化は、資生堂の研究所によれば、かなりの年数がかかって目立つようになるので、最低でも数年間、なにも対策をしていなければ、いつの間にか老け顔になっていることになります。
なお、この顔のたるみ対策でも、道具などを使った強い刺激やマッサージは原則禁止です。
そこで、詳しく調べると以下の対策が非常に有効だとわかってきました。
・紫外線対策・・・UVクリームや日焼け止め、日傘や帽子など
・保湿対策・・・保湿クリームや乳液など
・汗をかくくらいの運動・・・ストレッチ等の室内運動がオススメ
この中で保湿クリームですが、皮膚の科学的な見地からすると、クリームの役割は”皮脂の代用”であり、皮膚表面を柔らかくするというよりも、その下の皮膚再生に関わる細胞から、水分が逃げないようにするためとなります。そこで、この保湿系の基礎化粧品を使うタイミングが重要なので、以下を指摘しておきましょう。
保湿クリームなどを使う場合
・寝る前に必ずつける
・つける際は意外にたっぷりと※目安は”まるで汗をかいた感じ”だそうです
・つけたら、顔を絶対触らない※刺激に敏感になっているからです
よく洗顔後につけると言われていますが、皮膚の代謝は睡眠中に活発となるので、やはり寝る前が一番効果的のようです。
7.期間は全部でどれくらいかかる?
私個人の目安になりますが、たるみではなく、シミに関して薄いものがこめかみに出来た時、これまで解説したきた感じで続けたところ、大体半年以内で薄くなりました。現在では1年以上経過していますが、ほとんど消えていますね。
一番頑固なシミ対策でこれくらいなので、単に皮膚の代謝を上げるなら2ヶ月から、3ヶ月以内で睡眠、保湿を心がければ短縮されるのではないでしょうか?
皮膚の代謝は、20代では数日ですが、歳をとると個人差がありますが、数十倍くらいは回復に時間がかかるようです。その間、回復最中に紫外線を浴びては意味ないので、昼間はUVケア、夜は睡眠と保湿をしっかりというのは基本ですね。
8.顔マッサージは効果なし!?
結論から言うと、あまり期待するほどの効果に乏しく、やっぱり一時的な顔引き締め効果しかないようです。ただ、やり方次第で効果ゼロということもないのは確かです。
基本的に皮膚の代謝は、外部の刺激にはまったく弱いのですが、軽いマッサージ、優しく保湿クリームをなじませるくらいの触感は、むしろ皮膚細胞の血行促進には効果はあります。
このマッサージについては、注意点として、絶対にやってはいけないのは、”手を事前に洗わないで顔に触れる”ということです。手にはたくさんの雑菌がついているので、ウイルス対策もそうですが、保湿クリームを使いながらのマッサージでも、事前に手洗いは必須です。
まとめ
睡眠、保湿と栄養バランスという結論では、なんだか物足りない方もいるかもしれません。しかし、『夜間は必ず、何が何でも保湿を万全にして睡眠時間は確保してます!』という人は、案外少ないのかもしれません。基本的なスキンケアは理解しているはずでも、習慣とはいきなり身につかないものです。それと重要なのは、コロコロやり方を変えないことですね。ベースをしっかり抑えて、出来るだけシンプルに長く続けることが、スキンケアのベストな方法だと思います。