梅雨といえば”ムシムシ”、”ベタベタ”と不快を感じる湿気の日々となるわけですが、特別な事をしなくても、そして家電に頼らなくても快適に過ごせる方法があります。ほんの少しの工夫だけで、室内を快適にする方法をご紹介しましょう。
目次
1.梅雨はなぜ不快に感じる?
梅雨といえば、いつもどんより曇りがちで、いつも雨が降っているイメージですよね。気象学的には、日本列島上空の気圧配置によって、南北に連なる梅雨前線という、高気圧と低気圧の極端な落差によって、気象が安定しない時期を『梅雨』と呼びます。つまり、雨ばかり、曇ばかりというよりも、天気が非常に不安定な時期が梅雨というわけです。
実際、ある日から曇りや雨の日が始まるのではなく、雨が降ったり晴れたりが交互に目まぐるしく変わるようになると、「そろそろだな」という感じですよね。
梅雨が非常に不快に感じる最も主な要因は、この”気象が安定しない”ことで、カラッとした晴れの日が少なく感じることから、湿度以上に気分的な問題が大きいといえます。テレビでも”ジメジメ”とか、煽るような表現を頻繁に使いますからね。
2.湿気がたまる状況とは?
天候が不安定になると、人の生活はある程度リズミカルですから、お洗濯など、外干しから室内干しなど、特にお洗濯物の乾燥が一番問題になります。
実際、天気に関わらず現代の住宅事情は、非常に密閉効率が良いのと、空調やクラーの普及率が高いので、それほど窓を全開にしなくても、換気に支障がない事が多いです。しかし、空気を入れ替えるのと、お部屋に滞留した湿気の問題とは、切り離すべきで、湿気の多い部屋は一方で空気の循環は多いけど、”空気の入れ替え”は弱い傾向にあるといえます。
お家の中で湿度が高い場所は以下のところです。
・キッチンのシンク内
・洗面所周辺
・洗濯機周辺
・お風呂場
・玄関
『玄関』が加わっているのが特徴で、意外なことですが、玄関には湿気を吸収しやすいものが溢れているところでもあります。それが以下のような物ですね。
・靴
裏側に土などが付着している
・傘
蒸れたまましまっている
・観葉植物など
湿気の温床
特に、靴をお手入れしてキチンと靴箱にしまうなどの習慣が、あまりないご家庭では、玄関先にズラーッと靴が並んでいて、それぞれ湿気を排出している場合があります。靴はシューキーパーや新聞紙を丸めて中に入れるとか、一足づつ湿気対策と乾燥に気をつけましょう。傘はとにかく良く晴れた日に干すことですね。
観葉植物は梅雨の時期は外に出すか、出入り口周辺から離して置いておくべきでしょう。
3.お手軽な湿気対策
前述の基本的な対策の他に、出来ることでは”窓を開ける”ということです。そう聞くと、『雨の日に窓を開けちゃ意味ないじゃないか?』と思うかも知れませんね。実は、気候に関係なく窓は1日数回全開に開けるべきです。
湿気は、ご存知のように集まると水滴になるので、普通の空気よりは重く、床に近い部分がベトベトした感じになります。空気そのものがベトベトしているのではなく、フローリングとか、ドアノブなどの、”物に触れる”となんとなく感じるものです。
そこで、空気全体を一度に換気するためには、何度も窓を全開に開けて、空気の通り道を確保する事が必要です。ここで、お家の窓を全開にするポイントがいくつかあるので、ご紹介します。
1.家の中で最も南側と、北側の2つのルートを全開にする
2.風がない日は、扇風機や送風で強制的に空気を追い出す
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湿気をためやすい要因の一つは、人体の体温などの熱源があるところに、湿度が加わって蒸発して部屋全体がムンムンしてしまうことです。したがって、滞留した熱を追い出すことで、空気を入れ替え、体も涼しくするわけです。
4.部屋干しの場合の除湿法
どうしても梅雨が長引くと、なかなか晴れた日にまとめてお洗濯とはいきませんよね。そこで、お手軽に、しかもお金をかけずに部屋干しを快適にする方法があります。それが意外な場所を活用することです。
お家の中で唯一、換気設備が整っている場所はたった一つだけ、どの家にもあります。それが『換気扇』です。つまり、キッチンですね。一方で最も部屋干しに適さないのは、畳の部屋と2階建てなら2階の部屋です。どちらも、畳は湿気をためてしまいますし、2階で部屋干しすると、湿気は重いので1階がジメジメしてしまいます。
そこで、敢えて1階、それもキッチンの換気扇を回しながらの部屋干しは、まず洗濯物の嫌な匂いを防ぐことが出来ますし、乾燥も若干早いです。除湿機や乾燥機を使うなら、こちらの方が安上がりです。もちろん、乾くまで回している必要はなく、数時間おきに窓を開けて、同時に換気扇を回せば良いのです。
食事の時間になったら洗濯物を移動、そのため、梅雨の時期はダイニングで過ごすよりは、他の部屋で読書とか、洗濯専用にキッチンを活用してほしいです。
5.キッチンから始める除湿法
水回りで湿気も多く、またカビなどの雑菌の温床となりやすいのがキッチン周りです。特にお家の中で不潔になりやすい場所ですね。注意点を取り上げてみましょう。
・水切りかごに、いつまでも食器を置いておかない
これは絶対にNGですね。水滴が落ちて水たまりになったトレーから、雑菌が繁殖します。
・洗ったら、シンク周りを拭き、ふきんは別の場所に
シンク周りの水滴を取るまでは良いのですが、その濡れた雑巾をいつまでもシンクの近くに置くべきではありません。できれば目線以上に高い場所に、ふきんを干しておき、時々は取り替えて同じものを繰り返し使うことの無いようにしましょう。
また生ゴミなどは、蓋が出来る容器に入れ、時々熱湯消毒をするため、ステンレス製などを使うと良いですよ。網状のよくある生ゴミ入れは、不潔になりやすくまた湿気をためやすいので、出来れば蓋付きステンレス容器が一番です。また、捨てる前に水分を充分切ってから捨てる一工夫も必要でしょう。
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6.お風呂場の湿気対策・除湿法
常に水が張ってある湯船は良いとしても、蓋をしないで開放的にしたままでは、まるで加湿器です。キチンと蓋をする習慣を身に着けましょう。また、換気扇が無いお風呂場では、窓を常日頃から自宅にいる間は開けておくことですね。
それと非常に重要ですが、毎回お風呂に入った後、最後に入浴した人は、お風呂場の壁を冷水をかけて冷やしておくことも、後々湿気を上げない対策になります。どうしてもお湯をたくさん使うと、湯気が水滴に変わってしまうので、この冷水による急冷却が、水滴を蒸発させない工夫となるのです。
7.ジメジメの原因、実は人でした?!
自動車を運転する方なら経験があると思いますが、雨が降った車内から見たウィンドウの曇りは、内部に水滴がついているのがわかるはずです。人間の体の水分量はかなり多くて、赤ちゃんでは約90%、成人では体重の約6割を”水”が占めています。つまり、湿気の発生源は実は”人”なんですね。
そういえば、満員電車の車内はどこかムシムシしてますよね。
また畳の部屋で、畳の上に直接寝るような人は、畳に体臭が染み付いていることも多いです。ですから、物理的に湿度が高くなる梅雨ではありますが、ジメジメ感に拍車をかけているのは、そこに居る人間の体から出る汗や皮膚から蒸発する水分なんですね。そういった意味でも、部屋の空気の入れ替えは非常に重要な役割があると言えます。
まとめ
意外に知らない湿気対策、除湿について解説出来たかもしれません。私は、湿度よりも物理的に除湿機による冷風、乾燥機の熱気に体がついていけないので、梅雨の時期は除湿機や乾燥機といった機械的な道具に頼りません。
それと、古都、つまり盆地で蒸し暑くなりやすい京都などの住宅事情を調べた結果、案外、カンタンな工夫で快適に過ごせるんだなとわかってきました。ご参考に慣れば幸いです。