今回の男性コンプレックスは、私は理解しづらいのですが、”指の長さ”についてです。
どうもこのコンプレックスを世間に植え付けている原因は、巷にある「本」が発端となってるようですが、今回は真実をズバズバと解説していきましょう。
目次
1.指の長い男は〇〇も大きい?巷の噂とは?
インターネットで調べるとカンタンに元ネタがバレてしまいますが、手短に言えば、これはある一つの書物が発端となった、一種の噂のたぐいです。
後述しますが、始めに言っておきますと、性的資質と身体の構造及び、見かけ上の違いに関して、一切の医学的根拠は不明であるといことです。
実にこの学説?を信じる人には残念な事実ですが、指の長さで”アレの長さ”なんて、誰もわかるはずがないのです。
ちなみに男性性器の大きさについてですが、”平常時の大きさ”と、実際の性行為に至る場合のマックスの大きさは、海綿体の量と血流量によって決まるので、平常時が大きいから性欲絶倫というのは、医学的に笑えるデマだと言って良いでしょう。
それと指摘しておきたいのが、テレビなどのメディアで、最近特に異様とも思えるのが、ウイルス、細菌学、疫学の専門家でもない科学者の一人が番組に出演、まるで『博士に何でも聞いてみよう!』という子供向け番組のように話が展開しているケースがあります。
博士だからって、全学科に関して博識なわけはないでしょう。スーパーマンじゃないんですからね。
それにノーベル賞を受賞したからと、例えば物理学の教授や生物学専門の教授が、経済や疫学まで網羅していると考える方がおかしな話です。
それと同じ様に、『指の長い男は〇〇も大きい?』と提唱しているのは、あくまで心理学の教授であり、臨床医学の知識も、泌尿器科の知識も無いといった専門のエキスパートではない人が書いた本が元ネタです。
”餅は餅屋”という言葉があるように、それぞれの分野で、その知識を応用して理解しようとする研究はありえても、分野やジャンルを超えて共通の結論に達するなら、すでに何かの成果、治療や改善に関する研究も進んでいるはずなのです。
こう思うという論を展開するのは自由ですが、それを「そうなんだ!」と受け手が鵜呑みにするのは非常に危険ですね。
それでは、騙されても気がつくはずがありません。
例えば、こういった指の長さで仮に”絶倫”がわかるなら、とっくの昔にED(勃起不全)治療に応用されているはずですからね。どう考えても推論の域を超えてないといえるでしょう。
一言で言ってしまえば、バカげた学説です。
2.都市伝説は無数にある?
都市伝説ばかり集めているサイトというのが、海外にありますが、もちろんリアリティあふれる様々な恐怖体験、心理現象や異常現象が数万の単位で投稿されています。
しかしサイトの最初に”このサイトは全て創作である”と書いてあり、そもそも、その証拠も、実際に見た人も、実際に経験した人も存在しない『他人から聞いた話』です。
しかしながら、こういった都市伝説は、特に若い女性に人気や関心が高く、言われてみれば確かにそうだと感じるのが、女性は美容グッツに目が無いですよね?
しかしそういうグッツのPRには「あくまで個人の感想です」という注釈付きなのが、微笑ましいわけです。製造して売ってる側が”効果はわかんないです”と自白しているんですからね。
しかし、様々な美容グッツや美顔器などを駆使したところで、老けるスピードは同じですし、医学的にわかっている事は、老化によって女性は閉経を迎え、やがて体も丸みが失われるという事実です。
これを避けられるはずはありません。
それに、キチンとした研究ならその文書は、然るべき学会で発表され、キチンと登録されて見ることが出来るはずですが、単なる書店の平積みとして売られている程度の学説は、あくまでそういった話も一部にある程度だと思う方が賢明です。
3.二本指の法則という嘘?
”胎児のときに大量のテストステロンと呼ばれるホルモンを浴びると、薬指が長く、もしくは人差し指が短く成長し、男性では人差し指より薬指が長くなる”・・・・こういった事が、例の本に書かれています。
といっても、繰り返しますが、この著作者は心理学の教授で、医学の知識はまるでないということです。
後述しますが、この教授と言われる人は、そもそも高学歴エリートが受講するような大学ではなく、ある意味、学生の”箔付け”とも言える、よくある留学履歴を得るための専門大学の教授です。
日本で言えば、ちょっと大きな専門学校の外部向け講座程度のレベルですね。
バブル景気の1980年代後半あたりに、日本でもやたら流行った記憶がありますね。
こういった一見、もっともらしい学説?を言いたがる輩に、是非質問してみたいのが、『物事の差異を決めるには基準が必要だが、その平均はどこで調査した?』という問いかけで全部白紙になります。
なんとなく長いんじゃないか?なんとなく短いんじゃないか?という感覚の問題ではなく、モンゴリアンの平均、ゲルマン系の特徴など、最低でも膨大なサンプル数が無ければ、基準など作れません。
法則というから、もっともらしく聞こえるのであって、昔あった芸能人の書籍『〇〇の法則』と同じレベルであり、一部の統計を元に独自の解釈を加えた持論を本にした、それだけの話です。
テストステロンに対する大きな誤解
それでも、男性の中で指の長さコンプレックスがあるというなら、恐らく、”男性ホルモン”の誤解を解かなければならないでしょう。
このホルモンはテストステロンと呼ばれますが、実はこのホルモンは特定の役割を果たすのみの、ステロイドホルモンの一つです。
スポーツ界でよく薬物使用で、メダルが剥奪されるなど、ニュースで出てくる”ステロイド”とは、このステロイドホルモン注射や、それを服用する錠剤のことなんですね。
テストステロンも、筋肉増強のために、特に男性に分泌が多いことで知られています。
ただし、このテストステロン自体が筋肉自体をモリモリとつけたり、性器などの大きさを決めているのではありません。
このホルモンは、元コレステロールであり、筋肉のエネルギーを引き出す際に、大量にあれば役立つというものです。
従って、充分に鍛えた上でこのステロイドホルモンを投与すれば、自力以上の筋力を引き出す事付が出来るというわけで、テストステロンが多いから男らしい外観になるというのは、明らかに誤った認識です。
しかし一方で、このテストステロンを合成するアンドロゲン(男性ホルモン)は、思春期の男性の第二次性徴と呼ばれる、骨や筋肉や性器の変化に影響を与えるため、ホルモンと指の長さは全く無関係とは言えません。
それでも、指が短いから”アレ”も短いというデマは、どう考えても何の根拠もないと言えるでしょうね。
4.「ガーデン」や「ゴルフ」が学科?
更に、指の長さコンプレックスのある男性に、これまで説明した巷の噂の根拠になってる著作の真実を伝えておきましょう。
なんと、この教授が在籍しているという、イギリスの大学、家庭園芸とゴルフの講座を受講出来ると学生に人気なんだそうです。
ちょっと私は吹き出しましたが、留学するにしても、ハーバードや超一流大学ならともかく、この大学に留学したいと思う学生のレベルを、ちょっと想像してしまいますね。
別に、悪いことではありませんし、たしかに『留学』になるので良いでしょう。
しかし、履歴書にこの学校名があったところで、何の自慢になるのでしょうか?
ヘンテコな学説とまでは言いませんが、そもそも生物学や医学のジャンルを心理学で説明することは無理がありすぎでしょう。
男性の指の長さコンプレックスに眼をつけた情報商材売り、そういう印象を私は持ちました。
それに、今更そんなヘンテコ理論を真に受けている女性は、そうそういないと思います。
まとめ
私自身は、実際に独学でフロイトやその他の著名な心理学に関する本や著作を読み込んで来ましたが、ほぼ行動とその心理の関係性、状況などにおける行動実験など、人の外見に関する内容など皆無でした。
いろいろ男性のコンプレックスを調べていて、『なんじゃ?コレ』というのがあったので、詳しく調べてみました。
すると、どうやらこの学説っぽい話は、占いに活用されていますね。それにしても、人の悩みにつけ込んで金儲けとは、私はあまり心地よい気がしませんでした。